2012年3月下旬

日記

日記や短文です。
日付は、下がいちばん新しいもの。







[2012年3月下旬]





3月10日(土)

くにぞうが用意してくれた朝ご飯。
右奥は、もやしのナムルみたいなのだったかな。
真ん中は、ネットで頼んでくれた無添加明太子(小分けで冷凍)。
展覧会中は、バタバタと出掛けてたから、
久々にゆっくり食べる朝ご飯って、
なんて、おいしく、幸せなのだろう…と思う。
ほんとうは、まいにち、まいにち、もっと感謝しないといけないな。

たとえば入院されている方には、味わえないことだったりもする。
当たり前のことは、決して当たり前じゃない。








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2、3月に読んでいた本、3冊。

●「いのちの森の台所」佐藤初女(集英社)
初女さんのことは、昔、高山なおみさんが訪ねていかれた時の文章や、
雑誌などで知ってたけど、ちゃんと本を読むのは初めて。
(知り合いになった方が、ブログで紹介されてて購入してみた)
ほんとによかった…。

初女さんのこれまでのことや、
読者の方の悩み相談にお答えされているページもたくさん。
初女さんご自身が、息子さんを亡くされているとは、知らなかった。
とてもおつらかったようだが、
「つらく重い別れを経験しているのは私だけではないし、
私よりつらい思いをしている人もたくさんいらっしゃるわけです」
と書かれていた。
そして、どう考えて立ち直って行かれたかも、少し書かれていた。

すべての口調、考え方が、やさしく包み込むようで、
「こうしてみたら、いいんでないでしょうか」というふうなので、
ほんとうに、ただただ癒される。
それでいて、信念を持った、強い方なのだ。
こういう人になっていけたら、とほんとうに願う。
また何度も読み返すだろう。





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●「住み直す」井上由季子、村松 美賀子(文芸春秋)

「モーネ工房」の井上さんが、
今までご夫婦+お義母さん、ワンちゃんと住んでいらした
滋賀のマンションから、
仕事場でもある京都の「モーネ」に
ごっそりと引っ越された時の、あれこれが書かれてる本。

(井上さんの別の本も手掛けていらっしゃる
文筆家で編集者の村松さんが、井上さんたちの様子を書かれた形です)


これは、ただの引っ越しじゃなくて、
「自分達が、どう考え、どう暮らしていきたいか」
という「考え方の本」なんだなあと思って。

その中でいろんなことが起こって、
ピンチをチャンスに変えていく感じや、
大量の所有物と、どういう基準でさよならし、
限られたスペースにどう入れて、活躍させていくか、
3人の暮らしとモーネの活動の境界線をどうするか、などなど、
これからの自分の暮らしを考えるうえでも、
なるほど、こうきたかあ…と参考になることが、ちりばめられている。
実際の写真も、たくさん載っています。

「年を重ねると、たくさんの物は持てない」
ということも、深くうなずき。

「生活をこうしたいから、こんなルールで使うことにする」
なんてことも、深くうなずき。

またダンナ様のセイケンさんが、
引っ越しを決める頃に、
「モーネに住もうか」
と言われたひとことが、とてもかっこよくて、頭に残ってます。


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●「itonowaの野菜づくしの玄米弁当」渋谷有美(マイナビ)
合羽橋のカフェ「itonowa」の店主、渋谷さんのお弁当レシピの本。
土日に「おかずのもと」をつくっておいて、
そのアレンジで1週間のお弁当を乗り切る、
というそのシステムがすばらしい!

「グルテンミート」という
お肉っぽい味わいになるのに、植物性のたんぱく質であるものも
すごく活用されてるので、
菜食にしたい人には、さらにぴったりかと。
「グルテンミート」、私もたぶん昔食べたことはあると思うけど、
買ったことはないので、いつか挑戦してみたい。

(この間、下記に書いた新しいお店のオープニングで
グルテンミートの唐揚げを頂いたけど、おいしかったですよ~!
ほんとにちょっと、鶏の唐揚げ風になる)

その他にもつくっておいたらいい調味料とか、常備菜とか、
渋谷さんならではの、
肩の力が抜けた雰囲気の、かわいらしい本です!
(企画、構成、取材は、天然生活の取材でお会いした結城歩さん)
お弁当をつくらない人にも、
使い回しのコツがわかると思うし、ぜひ。



あ、ちなみに最近「itonowa」の近くに、
itonowa Life」というお洋服や雑貨の小さなお店ができました。
2軒は、歩いてすぐのところ。
素敵なもの、気持ちいいものが、たくさんあります。
そこに私の本も置いていただいてます…。
(「いちにちいちにち」、「ひとりがけの椅子」、冷えとりの本)
お店の臨時休業などは、このブログでお確かめになってお出かけくださいね。











3月11日(日)

震災から、1年。
東京で暮らしている私たちにとっても、もう1年たったとは全然思えない。
特集番組をいくつか録画するが、見る勇気があまり出ない。
後でひとつ見たら、
やはり自衛隊の方の強さに打たれた。
(以下、ちょっとうろ覚えだが…)


ある自衛隊員の方が、
自分もたった今、津波に流されているなかで、
近くに流れてきて「もうダメ…」と言っているおばちゃんに、
「何言ってるんですか!」と
首根っこ(洋服の首の後ろあたり)をガシッとつかまえて、
浮くようにして、
後でもうひとり別の誰かも同じようにつかまえて、
2人を抱えながら、
そのまま、流れ着いたどこかの家に押し上げて、助けたようだった。
そして、その自衛隊員は、救出した人を安全な家の2階に残し、
また水の中に、出ていったそう!

そんなことできるんだ、というのと、
そんな中でも、
「あきらめないで、絶対に生きるんだ!」
という気持ちを持てることに、ものすごく感動した。


「あきらめない」ってものすごいこと。


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また、別のこと。
ついこの間(5月か6月?)、途中から見た報道番組で、
リポーターの男性が、現地で
「復興という言葉が嫌い」という話を聞いたそうだ。
みんな復興と言って、どんどん進んでいるけど、
そんなところまで心が追いついていない、というような意味だった。

まだ家族が行方不明のまま、の方だった。
そして、これからどうしていいかわからないまま、
立ち止まったまま。

そんな人がいても、当たり前だろう。

自分だったら、どうなんだろうと思うと、まるでわからない。
強い人、
弱い人、
自分のペースで、行くしかない。

その気持ちを、
周りの誰かが包んで、
「それでいいんですよ」と、言ってあげてくれたらいいと思う。
そして、
最後は、どんなに時間がかかっても、
きっと、自分が、自分で、立ち上がることができると思う。


今の私にできることは、
普通に暮らせることに、深く感謝することかな、とも思う。
くにぞうと、つまらないことでケンカなんかせず、
幸せな時を増やすこと。
(さいわい、ケンカは、ほとんどしなくなりました)













3月12日(月)

晩ご飯の一品。くにぞう作、ゆで卵入りポトフ。
洋風おでんかな?
おいしかったです!
ちょっと写っているのは、「匙屋」さんの木の匙。
ほんとにいい使い心地で、食べる時、ついこれを探してしまう。












3月15日(木)

ヨガのあと、確定申告へ。
展覧会があるから、どうなるかと思ったけど、無事出せて、ほっ。








3月16日(金)

くにぞう作、イカ大根。
私ならつくらないと思うけど、奴は イカやタコが好きなので。
またこういうのを炊く時、くにぞうは絶対鍋の中を触らないので、
形がくずれないところがすごい。
おいしかった!














3月19日(月)~21日(水)


お正月に帰れなかったので、くにぞうの実家に帰省。
お墓参りにも。

お義母さんの料理を、撮ったので、いくつか。
リクエストで「きずし(シメサバ)」をつくってもらった。

まず魚屋さんで、「きずしにするので」と
新鮮なサバに大量の塩をしてもらって、買って帰る。
(言えば、そういうふうにしてくれるんだそう。もしかして関西だけ?)





で、ひと晩か、数時間か(忘れました…)置いて、
その塩で出た水気を、よくキッチンペーパーで拭き、






合わせ酢をつくり(これ、魚専用のタッパーみたいで、
マジックで絵が書いてある。かわいい~)、




出し昆布を数枚と、たっぷりレモンの輪切りとともに漬け込む。






当日か、翌日か(また忘れたけど)、もう食べれる。
以下は、保冷剤を入れて、東京に持って帰ってきたもの。
ちょっと浸かりすぎてしまったが、うーん、おいしい!








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その他、お義母さんがつくってくれた晩ご飯。
「ヘレカツ」(「ヒレカツ」を、関西でこう言うようですね)
うまっ! 6人家族なので、計8人分だ。





タコ酢をつくる。(このへん、私も多少お手伝い…)
ゴマをすり鉢ですり、キュウリに塩を。





混ぜま~す。お義母さんが。





これは、お義母さんが紅茶で煮たチャーシュー。






朝食の時に出てきたお豆さん。
出汁で豆を炊いてあるだけなので、
サラダに混ぜて、ドレッシングかけて食べたりとか。
いい! たくさん、もらって東京に戻った(笑)。














3月23日(金)

くにぞうが今朝見た夢を話してくれた。
総理大臣になって、
菅直人とかに「できる、できる!」と言われ、
「マジですか?!」と言っていたらしい。
国のスローガンも考えたらしい。




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お昼、川原と電話することがあって、夜出掛けるというので、
「何時にどこ?」と聞いたら、
「7時半に吉祥寺」
と言いたかったみたいだけど、
「7時に吉祥寺半」
とはっきり言っていらっしゃいました。










3月24日(土)

本の原稿の、別の章にやっと取り掛かれる。
ここまでも、長い、長いぞ…。
自分にしては、すごいことをやってる感あり。








3月25日(日)


最近、くにぞうが何かで知って、
(朝日新聞の三谷幸喜さんのエッセイにも書いてあった)
超はまり、
私も見てみたら、ものすごくおもしろかったテレビドラマ
名探偵モンク」。

いやあー、よくできている。
いろんな神経的な症状(対人恐怖とか、潔癖症とか、高所恐怖症とか…)
を抱えながら、
人並みはずれた注意力や記憶力で、
事件をどんどん解決していくという話。

主人公のモンクは、ひとりでは生きられないような片寄った人なんだけど、
なぜかどんどん好きになってしまうし、
シャローナという助手も、
強気なキャラなんだけど、ほんとはやさしくて、すごく素敵な人で、
ファンになってしまう。

そしてストーリーや謎解きの部分が
毎回毎回、型にはまらず、ほんとによくできていると思う…。
どれだけの人が、脚本を考えているんだろう。

これ、すごく長いシリーズみたいで、
だんだんモンクの亡くなった奥さんの死の真相に近づいていったり、
(これがあるから、ネタばれしないように、ネットで調べたりできない…)
それぞれの脇をかためる人のドラマもいい。



くにぞうが、モンクの名コンビの
ストットルマイヤー警部のマネをしてみたら、わりとそっくりで、
「似てる~!」と言ってたら、
部下のディッシャーを呼びつける言い方で
「ディッシャー! 急げ! ご飯だぞ!」とか
言ってくるので、
「ディッシャーじゃねえよ!(ハリセンボン春菜の言い方で)」
と返す。


コロンボが好きな人は、きっと好きじゃないかな。
しかも最後まで謎がわからないので、謎を解くおもしろさもある。
私は、途中で
「あー、わかった!」と発表したりして、得意顔。
くにぞうは好きなくせに、終わった後で
「あれ…、犯人ってあの人だったの? どういうこと…?」
とか、時たま言ってくるから、信じられない。

くにぞうは、まだ「ツタヤ」に
借りるモンクがたっぷりあると思うと、嬉しいそうだ。












3月27日(火)

「in-kyo」へ。
ちえさんが、柏木さんの展覧会に来てくださって、
「いちにちいちにち」を
「in-kyo」にも置いてくださることになり、お届けかたがた。
ありがたい。

(「in-kyo」さんは、6月末頃に場所を近くに移される予定。
でもまた、きっとちえさんらしいお店になるのだろうな)




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夜9時頃、都心から家にたどり着いて、
くにぞうに「おなかすいた?」と聞くと、
「3時頃にトースト食べとるの」と言うので、
「我慢強いね」と言うと、聞こえなかったのか、
「おまんじゅう?」
と言っていた。なぜ、おまんじゅう?










3月28日(水)

扉にも書きましたが、
兵庫県、西宮のドーナツ屋さん「toquiwa(トキワ)」さんに、
「いちにちいちにち」を置いていただけることになり、お送りする。
(以前、トキワさんに教えていただいたリンク先の
阪急電鉄?のブログが見つからなくなったけど、
これと同じ写真だった気がする…)

トキワさんは、ずっと以前に
どこか関西で、柏木さんのポチ袋を購入されたことから、
「あれは、まだどこかで買えるのかなあ」とネットで検索していたら、
亡くなったことを知り、
本を「信陽堂」さんで購入してくださって、
それから販売まで…という、素敵なご縁です。

店主の方とも、ちょっとお電話でお話しましたが、
とてもよい感じの方。
かわいいお店で、ドーナツおいしそうですよね。お近くの方はぜひ。










3月29日(木)



根を詰めて、ずっとパソコン前で仕事していたら、
くにぞうが
「ルームサービスです」と言って、持ってきてくれたもの。
ミルクティとりんごとチーズ&干しぶどう。






チーズが、積み上げてあって、干しぶどうがちょこんと。
「かわいい盛り付けだね」と言うと、
「そうなっちゃった」と言っていた。


果物とチーズとドライフルーツは、
一緒に口の中に入れると、ほんとにおいしい!
お酒の時にも。
簡単でいいおつまみに。

うちでも、ご飯の最後に、
こういうものをワインと一緒に食べる時もあり。
そんなに果物は毎日食べないけど、時々食べています。