2012年3月上旬

日記

日記や短文です。
日付は、下がいちばん新しいもの。







[2012年3月上旬]





3月2日(金) ~8日(木)

「グラフィックデザイナー、柏木江里子さんの仕事 巡回展」
が、ついに東京で開催。
江里子さんとも親交のあった
ギャラリーcomo」さんのご好意で、会場を使わせていただけることになった。

昨日も江里子さんのお友達(結局10人近くも)
が駆けつけてくださって、いっきに搬入、会場設置。
ありがたいことだ。

京都の「モーネ」は広かったので、今回
展示物を少しまびかなければいけないかと思っていたけど、
企画者のひとり、
真喜志さんのマジックのような設営でうまくいった。




会場の写真を、ところどころ。

外から見たエントランス。
このてぬぐいを吊るしたのが、ほんとうにきれいだった。





貼られた文字が、美しい。

中から見たてぬぐい達。






壁には、一面にポストカードや、ポチ袋、一筆箋 を貼って。






奥の部屋へ、入っていきます。






うまく写真が撮れないけど、
寄稿文や、展示物をカテゴリーごとに展示。





「柏の」千代紙や、「kashiwa book」のプリントアウトも。





人気の高いツバメ柄の扇子。





12カ月の文様をつくって、箱に仕立てたもの。






江里子さんが病院から花のスケッチを、お友達に送っていたもの。
(小さいスケッチブックの断片は、ハガキとして送れるんですね)









亡くなる2カ月前くらいに、井上さんに宛てられた手紙。↓
井上さんからもらった花のお礼や、
病院の近くの「クレマチスの丘」のことが書かれていて。
(その美しい庭園に、江里子さんは花のスケッチにも出掛けてました)




その手紙の中に、こんな言葉が。


「いつかもう一度、デザイナーになろうと考えています。
でも庭師もいいかな」

後で井上さんに見せてもらった時、泣きました。
江里子さんは、病気を治して、
またちゃんとデザインに向きあおうと思っていたんですよね。
植物が好きだから、ちゃめっけで、庭師も、って。


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その「クレマチスの丘」は、静岡県の三島なんですけど、
何か機会があったら、ぜひ。
ほんとうにすがすがしい空気の流れる、美しい場所。
(病院からすぐ近くで)
一度、私と江里子さんが散歩した時も、
寒い中、楽しそうに、花の手入れをされている
スタッフの方がたくさんいらして。
手入れって、愛情なのだなあと感じました。


江里子さんが「ここ、おいしいんだよ~」と言って、
ふたりでお昼を食べた「CIAO CIAO」も、
体調的に、江里子さんはもうそんなには食べられなかったけど、
デザートまでほんとにおいしくてびっくり。


もうひとつの格調高いレストラン「プリマヴェーラ」も、
もう営業時間を過ぎてたのだけど、
ドアのガラスの作品があんまり素敵だったので、
「あのー、中を見せていただいてもいいですか…?」と聞くと、
スタッフの方が、快くお部屋のほうまで見せてくださって。
びっくりするくらい、きれい…で、
ふたりで驚いたのを覚えてます。

ガラスのアートは、三嶋りつ惠さんという方の作品だそう。
このドア、ほんとに夢のように素敵…。



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今回の柏木さんの展覧会に来てくださった
知人のグラフィックデザイナー、「キギ」の渡邉良重さんから、
8月末まで、「開館10周年記念展 庭をめぐれば
という展覧会も、この「クレマチスの丘」で開かれていると聞きました。
(良重さんも参加される)
この期間に、私も行けたらと思っていて。

また良重さんが、「クレマチスの丘」の関係者の方に、
この手紙のことなど、伝えてくださったことから、
いちにちいちにち」も、
そちらのミュージアムショップ「NOHARA」に
置いてくださることになりました。

このミュージアムショップも、とても気持ちよく、
本や物がセレクトされているお店。
その散歩の後にも、江里子さんと立ち寄って、
クレマチスのピンバッチをお揃いで買ったのでした。
思い出。
すごくかわいいピンバッチですよ。

(あと、今の「クレマチスの丘」のHPのオープニングの絵も、
渡邉良重さんのだと思います。素敵…。)



      


そして、関係ないのですが、
今、スマップの剛君が出てるドラマ「37歳で医者になった僕」のロケ先が、
偶然、江里子さんがいた病院でした。
最初、「なんか、似てるなあ…」と思ったけど、
クレジットを見ると、ほんとにそうで。

丘の上に立つ、空をバックにした朝や夜の美しい外観、
一度だけ行ったカフェなど出てきて。
とても広々として、心地のいい病院なのですよ。
「先生や看護師さんも、みんなすごくいい人」と江里子さんが話してました。
たしか「きれいなバラ園があるのよ」とも言っていて、
テレビに出た、あれがそうなのかな、と思って。
一緒に行けたらよかったな。

(ドラマもいい話なので、もう終盤ですが、ぜひ)





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さて、話がそれてしまいましたが、
展示の写真に戻ると、
「柏」のポチ袋達。和菓子の柄は、すごく人気でした。





「いちにちいちにち」と
江里子さんと井上さんの手紙のやりとりが載っている
「手紙のある暮らし心豊かな。」(もう絶版みたいですが)





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同時開催の「天衣無縫」の会場。

江里子さんは、こちらのタオルのテキスタイルを手掛けていて、
そのご縁で、天衣無縫の社長さんが、
「ぜひ一緒にこちらでも展覧会を」ということで、2会場になったのでした。

(お天気の悪い日に写真を急いで撮ったので、ちょっと暗くてすいません)

お店の一部分をお借りしての展示。





こちらの会場には、布物を集めようということで、
「柏」のてぬぐいも、こちらで販売。






江里子さんの、最後の作品となった「エリコフ」のてぬぐい。
病院のベッドの上で描かれた「しゃくやく」の、大胆な柄。





いろんな柄のタオルのデザインをされてたのです。

布物ということで、
「柏」のコースターや、テーブルランナー、栞もこちらに。

江里子さんの花のスケッチをポスターのように出力して、壁に貼って。



どれも、やわらかな質感のタオル達。
オーガニックコットンです。






こんなキッチン道具の柄も、かわいい。





今「天衣無縫」は、渋谷の「ヒカリエ」に移転され、
この青山の素敵なお店はもうないのですが。
「ヒカリエ」もすごく気持ちよさそうな空間です。ぜひ!
ブログに新しい店内の様子あり)




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今回の巡回展、どちらの会場にも、
お忙しいなか、たくさんの方に足を運んでくださいました。
ほんとうにありがとうございます。
私のHPを見てきてくださった方も…。
「江里子さんのお知り合いですか?」と聞くと、
「あおきみさんのHPで…」と言ってくださり、ひっくり返りそうになったり。
ただただ感謝です。


たくさんの知り合いの方にも、
毎日交代で店番を手伝ってくださって、ほんとうにありがたかったです。


結果的に私は毎日通ったのですが、
江里子さんの思い出を抱えていらした方々に、
いろんなお話を聞け、ほんとによかったと思います。


が、準備やいろんなことで、毎日頭がパンパンだったみたいで、
会期中、2回も帰り道のバスで降り遅れ、電車も1回乗り過ごし、
携帯も落とし(すぐ戻ったら、駅に届いてた~泣。ああ、ありがとー!!)
かなりあぶない状態でした(笑)。


4日(日)には、江里子さんがCDジャケットをデザインした、
竹中あこさんが歌を歌ってくださって。
江里子さんのご家族と、その場にいる方々で澄んだ歌声を聞きました。



その後で、
テーブル横に置いてあったリュックをちょっと動かそうとしたら、すごく重くて、
すごい重いリュックの人がいるなあ、と荷物を移動してたら、
それは知り合ったカメラマンの毛利さんので、
もう見終わって帰ろうとしてたくらい。
今、大阪でこっちに来られたよう。

「(来たって)言ってよ…(笑)!」と。
で、「ブログ(「日々」)を始めたでしょう」と言うと、
「あっ、なんで…知ってるんですか」とうろたえていたのですが、
「リンクしてもいいの?」と聞いてたら、「いや、それは…」と。
その時のことが、後で見たら書いてあって(ブログ3/7)、
こんなに遅くにリンクして、ごめんなさい…、毛利さん。

なぜなのかわからないけど、私は好きな写真です。
光をめぐって」などの作品集も見てみてください。

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3/5には、夜に
私が最初に入ったデザイン会社「シュガーポット」のみなさんでの
「柏木さんを偲ぶ会」が社長の発案で企画され、
ものすごく久々に、昔の上司の方々にお会いした。
(柏木さんとは、この会社で一緒)

幹事は、昔から、ほんとうに信頼できるデザイナーの上司で、
大勢の方々へのきめ細かい連絡から、場所から、精算から、
何から何まで、きっちり段取りしてくださった…(号泣)。

みなさんの顔を見ていると、
ほんとに時が戻ったようで、不思議だったなあ。
社会に出たばかりで、何もわからないまま、
西武百貨店のDMやチラシの文章を書いていたのだけど、
そんな一年生のような自分を思い出す。

そして年上の皆さん、酒量が減ってない…。元気です!
口々に「いい展覧会だった。江里子も喜んでるよ」
と言ってくださったり、
なんだか急にいろいろほめてもらって、ほんとにうれしかった。
東京でできて、ほんとによかった…。
(京都「モーネ」での最初の展覧会は、日記2011/10月上旬を)




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3/6には、くにぞうも見に来てくれた。
私は「como」さんにずっといたので、
「天衣無縫」さんの会場にも、ご挨拶に行かせる(笑)。
(こちらの会場の忙しい週末は、
「天衣無縫」と仕事もされてて、商品にも詳しい
平岩夏野さんにお手伝いしてもらって感謝…)


その晩、くにぞうが
ヘロヘロな私につくってくれた鶏ネギうどん。
「どっちの会場も、すごくよくできてたじゃん。がんばったね!」
とか、いろいろほめてくれた。






連日、家のことは、くにぞうにほとんどおまかせ。
次の日の朝、「食べれるのだけ、ひとくち食べていったら?」
とつくってくれたもの。
温かい味噌汁って、こんなにおいしい、と思う。
おにぎりも、家でにぎったものって、こんなにおいしい。






連日バタバタで、
食べ物もぱっと買ってギャラリーに行くしかないのだけど、
コンビニのおにぎりだと、
かすかに舌がしびれるような違和感が出るようになったので、やめ。
紀伊国屋の駅の売店で買うおにぎりだと、
まだ大丈夫なので、それを主に買って食べたりとか。

くまちゃんが手伝いにきてくれた時は、忙しいのに
おにぎり&まかないもつくってきてくれて、おいしかったー(泣)。











3月8日(火)

いよいよ最終日。感慨深い…。
うー。みなさん、ありがとうございました。

搬出は、またたくさんの方達で、総動員。
会期の最初しかいられなかった井上さんが、
京都から差し入れを送ってくれ、搬出のみんなで分ける。

京都の「中村製餡所」の「あんこ屋さんのもなかセット」。
家に帰って、翌日食べたら、まあ、おいしいこと!
(いろんな荷物と一緒に持って帰って、ちょっと最中がかけちゃいましたが…)





餡が甘すぎず、味わい深くて、
食べる直前に最中をセットできるので、パリパリ好きな私にはたまらない。
モーネでは、よくいろんな餡を頼んでいるみたい。
地方発送もできるようですよ。



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ちよじ(カメラマンの上山知代子さん)も搬出手伝ってくれたので、
みなさんと「お疲れさまでしたー!」と解散してから、
川原と3人で、ちょっとご飯食べて帰ることに。
(川原にも、かなり何日も手伝ってもらってて…感謝)
ちよじが知っている、経堂の「楽屋(ささや)」さんに。
西荻の「のらぼう」の出身の方がご夫婦でされているお店のよう。
いやー、初めてだけど、野菜中心に、何もかもおいしい!
驚いた。


店主の方とお話していたら、
今度、お店でお料理教室をされるということで、
「えー…、思い切って、申し込んじゃう…?」と3人で頼んでみた。
人生初の料理教室だ…。(お店のブログに詳細が)
(私たちの様子は、たぶん、そうとう後日に…。
が、教室は、ほんとにためになって、よかったですよ! 
簡単につくれる、野菜を主とした料理が学べます。ぜひどうぞ! 
ひとりでも問題なく参加できる雰囲気です)





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そうして2人と別れてから、
電車でまた「iPod」をシャッフルで聞きつつ、帰ってたら、
突然「くるり」の「ばらの花」が。
これ、たしか、江里子さんが好きだった歌。
(一度だけ、一緒に行ったカラオケで歌ったか、
その時、「これもいい曲なんだよ」と言っていたか、どっちか)


聞いていたら、なんだか、じーんとしてきて、
そのうち、ちょうど降りる駅に。

夜道を歩きながら続きを聞いてて、
会期中、
たくさんの人が、江里子さんの作品をほめてくれたなあ、と思い出し、
でも、
「あんなにすごくほめてくれたのに、江里子さんはそこにいない」
と思うと、なんだか涙がどーどーと出てきて、
くにぞうが玄関で出迎えてくれた時に、
泣き顔だったので、
「どしたん?!」とすごく驚いていたけど、
そのまま
「あんなにいっぱいいい作品つくって、あんなにみんなほめてくれて、
もっともっとこれからいっぱい、いろんなことができたのに、
やりたかったのに、もう江里子さんはいない」
とか言いながら、すごく泣いた。

「江里子さんは、そこにいるよ。
あんな展覧会をしてくれて嬉しかったよ」
とくにぞうが言ってくれて、ちょっとずつ、落ち着く。



全部終わって、気が抜けて、泣きやすくなっていたのだろうと思うけど、
でも、まだまだやりたいことがあったのだ。
できたのだ。

生きている人は、
生きているうちに、
自分の使命を、やりたいことを、やらないといけない。

私もそうだ。


仕事もそうだし、
誰かを支えたとか、
あの人は、明るく、周りの人を幸せにしたね、ということでもいいし、
ただ好きなことをしていた、ということでもいいし。

なにか、残していきたい。