2005年4月中旬

日記

日記や短文です。
日付は、下がいちばん新しいもの。

展覧会が終わってから、展覧会前のことを書いてて、
ほんとに恐縮です…(笑)会期中のこと、これから書きます。
でもあまりに夢中で、どこまで覚えてるか…。
とりあえず前日までの、右往左往してる姿をごらんください。


[2005年4月中旬]

4月11日(月)

朝から仕事。そして展覧会に一緒に並べる本のことなど、カワハラと電話。
夕方、伸びっぱなしになっていた髪を、もう時間がないので、
いつものとこじゃなく、近所に切りに行くことにする。
夕飯はスーパーで、おべんとうなど。
だんだん、気持ちもせっぱつまってきた。いつも軽く緊張しているよう。


4月12日(火)

朝起きると、なんか昨日のお弁当がもたれてる感じだー。うう。
だもんで、遅い昼は、がんばって豆腐のみそ汁と納豆、ごはん(チン)に。
結局は時間がなくても、後での体調のよさを考えると、
つくったほうが時間的にもお得なのか…と思う。
でも、まー、そうもいかない時もあるよね。

(柏木)江里子さんが、ずっとつくりたいと話していた、
秋山祐子さんのおさいふの本ができたようで、送っていただいた。
「レザーのおサイフ」(文化出版局)。これがまたもう、かわいいの、なんの!
そしてその絵のように詩的な革細工達が、
江里子さんの空気感のあるデザインで、とても引き立っていると思った。
秋山さんにお会いしたことがまだないのだが、
ちょうど今開催中の個展に、こちらの余裕がなくて、伺えないのが残念!

夕方。昨日切った髪が、上のほうだけ長くて、なんかズラっぽく(失礼…)、
どうしても気になってしまい、生まれて初めて連続でカットに!
別のもっと近所のお店へ。あ~、何やってんだー。
「そして短く段を…」と言ってたら、注意して見てたのに、
家に帰ってみたら、すんごく短かった! 何やってんの~!私、アゲイン。
せっかく最初の展覧会なのにいー。がっくしだよー。
これも何か意味があることなのかしら…。

くにぞうが驚くかと思って、帰宅の電話の時に、
「バレーボール選手みたいだから!」と言ってたら、
帰宅して、気をつかってか「いいじゃん。新鮮だし」と言ってくれていた。
いいひとね。

時間がないので夕方、大量出汁にベーコン、じゃがいも、にんじん、タマネギを
ほうりこみ、ちょっと煮たポトフのみ、つくっておいた。
そしたら、なんとくにぞうがクロックムッシュやパンを買ってきたので、
「お~、以心伝心! なんでわかったのー」と夜遅くふたりで食べた。
ひとときのしあわせ。


4月13日(水)

HPの日記、3月分を全部やる。ふー。
昼はくにぞうがメザシ、じゃこおろしなどの和食をつくってくれた。
やっぱり、和食はおちつくー。


4月14日(木)

朝、くにぞうが買物がてら、桜を見に散歩に行くという。
今年は私も桜を見てなくて、「いいなー、でも仕事で余裕ないからなー」と
ぶつぶつ言ってたんだけど、ちょっと考え、
「並木の入口まで行く」と言って、ぱっと着替え、ついていくことにした。

これは、私のHPにすっごくうれしい応援メールを送ってくださった
ある読者の方が好きだという本、
「ソース」マイク・マクマナス著 (株)ヴォイス発行 の影響。

ネットで買って、実はまだ展覧会の忙しさで2/3くらいまでしか
読めてないのだが、たぶん、もう、すごくいい本。
その中には、「忙しくても、ワクワクすることを同時に全部やる」
っていう考えが書いてあって、ちょっと驚く。
が、優先順位をつけて、今はこれはできない、って言ってたら、
死ぬまでそのやりたいことはできないし、みたいな考えにもうなずけた。

それで考えて、桜を見に行っても、たぶん30分で帰ってきたら気が済むし、
気分転換にもなるし、今年も見れたって嬉しくなるし、
「くにぞうだけいいなー」とも思わなくていいし、と思ったのでした。

それでふたりでもう散りかけた桜の下を、手をつないで歩く。
「あー、いいねー。なんか幸せだねー」と言えて、とてもいい時間だった。
そして「ここで帰るね」と満足して、引き返す。
誤算だったのは、くしゃみと鼻水が、めちゃくちゃ激しく出てきたこと。
目も掻かなかったのに、帰ったら真っ赤になってた。
たぶん昨日、一昨日の雨で花粉がなく、その分がたまってたのか、と。

後で戻ったくにぞうに「展覧会、こんなだったらどうしよう。
目、赤いと、こわくない? サングラスでもかける?」と真面目に訴えてたら、
「サングラスって、こわすぎなんですけど」と笑ってた。
「だいじょうぶでしょ。それに、そういう正直な姿で出れば、
みんなわかってくれるでしょ」とか言ってくれた。くにぞうってすごい。

夜、メールを気軽に開いたら、ある出版社の方からメールが来ていた。
好きな本の編集者の方に何枚か展覧会のDMをお送りしていたのだが、
ななな、なんとお返事いただけると思わなかったので、心臓止まりそうに。
そのうえ、なんと「冷えとり毎日」が好きで、
「うさぎの会で腹巻きとスパッツ買いました」とまで。驚愕!!!
すぐさまプリントアウトして、くにぞうに見せに行く。
「すご、すご、すごすぎない?」「すごいねー!!!」とくにぞう。
そして展覧会にも来てくださるそう。
「あー、こんないいことって起こるんだなー」としばし、ぼーっとした。

そして10時。今日は、SMAP剛君のドラマ「恋におちたら」の初回だ。
めざましテレビなどの生番宣もがっつり録画した。
最近、なんか髪切った感じがかわいくて、またまた好きなんだよねー。
そしてドラマ、おもしろかった~!

剛君のドラマっていつも脚本とか、演出もすごくいい気がする。
そういう人達が剛君を使いたいって集まるのかな、なんて思ったり。
もちろん演技もいいー。特に最後のパソコン打つとこ、かっこよかった~!
必死に打ちこむのに、顔がふっと幸せそうになったりして、
あの顔、できそうで、できない気がする。
そこだけ、何度もリピートしてしまったことでした(笑)。


4月15日(金)

仕事のメールを送信後、カワハラ宅へ。
最後に描いた大きな絵の言葉を並べて決める。
自分が、これがいいかな、と思ってた言葉は、
「これは、あおきみ自身がそうなの?」と聞かれ、はっとする。
「一般的にいいんじゃないか」というものと、「自分の中のこと」は違うのだ。

ちょっと妙に見え、理解しがたいかな、と思っても、
自分の中のことのほうが重くて、伝わるんだと、改めて思えたような気がする。
そしていろいろ意見を言い合って、書いたものを選んでいくっていう、
このコラボレーションって、ほんとに発見があり、有意義だった。

そして追加のDMが刷りあがってきたので、
ギャラリーやカフェなどの知人の方にお電話して、
失礼なのだが、DMを宅急便で送らさせてもらうことに。
その作業中、カワハラが
「もう(こういう連日の作業)終わっちゃうね…」とぽつんと言っていた。
「そうだね」と私。「さびしいなー」なんて言ってるので、
「まあ、それはともかく、宛名書いてくださいよ(笑)」と私。
「はい! スピード感で!」とカワハラ。

この人、1週間くらい前にも感傷的になって、
「またいつか、やりたいねー」なんて言ってたので、
「うええ~!!! まだ始まってもないんですけど…」と大爆笑していたのだ。


4月16日(土)

国分寺の「トネリコ」に、DMを置かせていただけるかな、と伺う。
昨年末、お店のオープニングの際に、高山さんに誘ってもらい、
カワハラと「パナヌファ」のライブにうかがったことがあるのだ。
その時のいろんな料理もほんとに全部おいしかった。
そしてその夜は、小さな店内にぎっしりと座った人が、みんな
良美さんたちの歌声にのって、沖縄の空を見ていたような素敵な夜だった。

しかし今日、着いたのがお昼どきになってしまい、ほとんどの席がうまってて、
とても忙しそうだったので、先に定食(お魚のハーブ焼き、おいしかった~!)
を食べ、一段落した頃に「実は…」と話すと、
「あ、覚えてますよ! 髪、かわりました…?」と清水田さん。
「あ、切りすぎで…(笑)」と、そこからいろいろ話す。
DMも快く置かせてもらえることに。ありがとうございます。
トイレの一個ずつ違うタイル、やはり、かわいかった…。

そこから、以前一度だけ行ったことのある、「さかむら」へ。
陶芸家のくまがいのぞみさんに、紹介してもらって。
(今、くまがいさんのHPを見たら、「エトコトバ」展の
感想も書いてもらっていた! すごくうれしい。ありがとう~)

で、また「あの、実は…」と話すと、
「あ、これ、DEE’S HALLからもDM来てましたよ」と、
こちらも快く、DMを置かせてもらえることに。
お茶を飲んでお話するうちに、店内のアンティークの小さなガラスの器が
どうしても気になって買うことに。(今、机の上に。素朴できれいです)
そして坂村さん、「野の花」という自費出版の本も出されてて、それも購入。
心を打つ、素の美しさでした。


4月17日(日)

カワハラ宅で、壁に貼る言葉のプリントアウトや、
ローマ字の説明、出品リストなどの準備。やることって山ほど出てくる。
「字の大きさってこれくらい?」と何度も壁から離れては、
「うーん」とかやってたら、やっぱりいつもの終電コース。

戻って、夜中にくにぞうと皐月賞の録画を見る。
前のレースを見て、「もう絶対ディープインパクトだよ!」と豪語していた私。
だが、あれほど強いとは思わなかった。
なんかまだ子供っぽく見えるのに、直線、びゅうううんと飛んでった。
「何なのー! これ」と笑ってしまったほどの強さ。いいわあ。
もっともっと強くなりそう。たのしみ。
くにぞうは1着固定にして、3連単7万円程のを100円取ってご満悦だ。
こういう時間、展覧会前の緊張が、しばしゆるむ感じ。


4月18日(月)

今日は、ついに搬入1日目。
こんな大きな展覧会は初めてなので、土器さんにお願いして、
搬入を2日間にしてもらったのだ。
朝方、迷ってたHPの新コーナーをついにUPして、ダッシュでカワハラ宅へ。
大きな絵や、あれやこれやを抱えて電車に乗り込み、2時頃到着。
行ったら、カメラマンの西田さんが会場設営をお手伝いしてくださるようで、
もうボード等を動かしたりするところだった。

私は早くも緊張がピークみたいで、何をやっていいのか、みたいな感じ。
額が到着してからは、とりあえず大きな15点の絵の順番を決めるのに集中。
しかし1点ずつの「絵と言葉」の組み合わせは決まっていたが、
その順番は会場に合わせて、と思ってたので、やってみるとこれが難作業。

「色味的には、これの隣はこれにしたい」と思っても、
「言葉的には、これは最後のほうで」とか、絵と言葉の両方があるからだ。

「絵的に、扉はこっちがいいんだけどなー」
「最初からディープな言葉はキツイんじゃない?」とか言いつつ、
延々とパズルのような並べ替えの作業で、
ほんとに決まるのだろうか、と冷や汗が出てくるような感じだった。

が、何十分もやったある時、すっと、神様が見てくれていたかのように、
「あれ、これでいんじゃない」という流れになった。
言葉も順々に読んでいくと、すんなり入ってくる。
色味も扉には扉にふさわしい並びとなり、どの壁にも個性が出たような。

「いいんじゃない?」「いいよね?」「いいと思う…」「きれいじゃない?」
もう、そうだよねと確認したいばかりの2人。
土器さん達も、ずいぶんお待たせして申し訳なかったが、
ほんとにできて嬉しかった…。

帰りにうどん屋さんで、ほーっとし、
「いやー、ほんとにあせった…」、「奇跡的に並んでよかった…」
などと話す。そしてまだ足りないものを、カワハラ宅で準備して終電帰宅。
(カワハラはそっからも、まだ作業をしてくれていたよう)
ついに明日が前日となる。


4月19日(火)

搬入2日目。 11時すぎに到着。土器さん、西田さん、
もうずっとDEE’S HALLで土器さんのお手伝いをされているカナさんに、
「よろしくお願いします」とご挨拶して、さっそく作業。
小さい絵の並びなどをどんどん決めていく。
西田さんが、壁の間隔を計り、次々大きな絵を掛けていってくださる。

土器さんは、ほとんど「こうしたら?」と言わずに、
でも黄色の本(この展覧会の)が椅子の上にちょこんと置いてあったりして、
これをふたりで後で見て、「あ…、きれい」「椅子と合うね~!」などと話し、
それを生かして展示させてもらったりした。
まったく初心者2人の邪魔をしないようにしながら、すうっとサポート、
みたいな感じが、ほんとに後で考えるとすごい、と思ったことでした。
長年ギャラリーをされてる経験と、そして土器さんの性格、信条なのだろう。

カナさんとは納入した本の事や、展示する机の置き方も相談したり。
お昼は中庭のテーブルで、みんなでアジアン弁当。
前にHBギャラリーでも食べたことあるのだが、やっぱりおいしいなー。
そしてここのお庭は青山とは思えない静けさで、気持ちがよすぎ。
このまま午後をぼーっと過ごしたい…って、思わずなごむスペース。

んが! やるぞ!と午後もがんがん作業。
事務所が近所の江里子さんもお手伝いに来てくださった。
私たちも釘を打ったり、抜いたり、紙を貼ったり。
そして夕方には終了! 
みなさんに手伝っていただかなければ、とてもできないことでした。
そして全体を見て「いい感じになったじゃない?」という
土器さんの言葉が、ほんとうに心に染み入って嬉しかった。

見回すと、美しくて、とても自分達のものではないような不思議な気持ち。
明日からやるんだという実感もよくわからないけれど、やるんだなあ。
初日に備えて、ささっと夕飯を食べて帰宅。

帰ったら、また別の編集の方から、メールが届いてました。
冷えとり本や、私のHPを知って、ということなのだが、
これが先日頂いたメールの方と同じ出版社なのだ!!! 
でも確かに違う方で、いったいそんなことがあるのー?!!!と思いながら、
また夢のような気持ちでお返事を書く。
ついに明日、初日だ。ほんとにきたのだなあ。