日記

日記や短文です。
日付は、下がいちばん新しいもの。

今回は、特別編。展覧会の回想です。

(これを載せたら、ようやく気分的に、日頃の自分に戻れそうかも…)
ご自分のHPに感想など掲載いただいた方、本当にありがとうございました。


[2005年4月下旬]

4月20日(水)〜27日(水)

DEE'S HALLでの「エトコトバ」展が終わりました。
終わってから、ずっと仕事などでバタバタしていたので、
なんだか、もうあの時間は夢だったのではないかというような気もしてます。
でも、ほんとうにたくさんの方に来ていただいて、
それは事実あったことなんだなあ、と、ぼーっと自分に確認したりしています。








そして実は、upがこんなに遅くなったというのも、
最初、いつものように日記形式でずーっと書いてたんですが、
そうすると、なんだかたくさんの方々の名前と、
うれしかった×1000みたいになってきて、
プライバシーの問題とか、自画自賛みたいなこととか…、
きっとこういうことじゃない、ということだけがわかってきて、
どうしたらいいのか迷宮になり、だんだん逃亡したい気にもなって(笑)、
インターネットでの日記ということについても考えさせられました。

そして、カワハラやくにぞうにも相談した結果、
ただ全体を通しての思いを書く、ということにしました。
(おまたせしたあげくに、こんなことですが、許してください)
写真は、文章とは関係なく、会場の模様です。
(言葉は、絵の下に貼ってあったり、
絵の中にローマ字や日本語で書いてあったり、さまざまな形です)


[エトコトバ展 会場風景 最初のあたり]






































[エトコトバ展 記憶の断片の記録]


展覧会が始まる前に、
私の気持ちの中で、ずっといちばん大きかったのは、
やはり「言葉を発表する」ということだった。
そして、それが、どう受け止められるのかということ。

前にも書いたと思うけど、こういう「言葉」(もしくは「詩」)は、
よくわからないとか、この種のものが嫌いとか、
生きていくのに全然必要のない人が、普通にたくさんいらっしゃると思う。
それを本で見てもらうのならまだしも、
不特定多数の方に、壁に貼って読んでもらう、ということが、
いったいどうなるのかと、いたたまれなく不安だった。

でも自分のやりたいことをやると決めたのだし、
これは大きなチャンスなのだから、
どう言われても、また思ってて言われなくても、
それはもういい、自分の思うことを発表できたからもうそれでいい、
と、思うことにした私。









でも、初日から、それは、大きくくつがえされた。

作品を見て、「私はこれが好きでした」と
言いに来てくださった方がいた、ということ。
そして、そのあとも、ずっと、ずっと、たくさんの方が。

その好きと言ってもらった言葉の多くは、その方に似合っていると思った。
また逆に、ものすごく意外に思えたものもあった。

そして自分の心の奥深くの苦しみを表したものや、
なんか狂気的だと思ってたものを、
私から見ると、普通の生活をしている人に、
「今の自分に、すごく、ぐっときました」などと言ってもらえたりすると、
あ、いいんだ…、とじわーとした。








そして「自分だけではない」という
「許し」のようなものも、もらえた気がして、
ここは何か、見えないものの受け渡し場所のようだった。

中には涙ぐんでくださった方もいて、
それは、ほんとにほっぺたをつねりたくなるような、
自分にとっては、ありえないことだった。

男の人が、感想を言ってくれるというのも、
すごく予想外で、嬉しい出来事だった。

そして、なんか、届いたんだ、人の心に、
と思って、胸がいっぱいになった。
主催者ふたりが嬉しくて、いっぱい、いっぱいになって、
涙ぐむという場面も見られた(笑)。











もちろん、何かを言ってくださることだけが、
いいことではないのは、重々承知。
黙って見てくださったこともありがたく、
口にしない批判も、たくさんあるはずだけど、
でも、それでも、この8日間に起こったことすべては、
今までの私と、これからの私の進む道にとって、大きな出来事だった。

毎日、カワハラと今日1日のことを、めちゃくちゃ熱く喋りながら帰った。
特に初日は、帰ってからも、
まだ幻の中にいるようで、気分が高ぶったまま、
眠らないといけないのに、深夜パソコンに走り書きをしたり。

下にあるのは、その夜、書いたもの。








こんなふうに
うけいれてもらえるのだった

これを
ずっと
やっていっても
いいのかもしれない

そうなのかもしれない

そうするしかないんだけど
でも

よかった

みなさま
ありがとうございました










また多くの方に、
「言葉があると、
絵を見て、字を見て、また絵を見てって、
じっくり見るようになっていいよね」と言ってもらった。

言葉を読むことで、
1枚の絵の前での滞在時間が長くなるようなのだ。

そして「言葉を見てから絵を見ると、
はじめに絵だけ見て思ってたのと、また違うふうに見えていいから、
隣に移動する時、最初に言葉を見ないようにがんばってました(笑)」
なんて言ってくださった方も。




そして驚くことに、
来場した友達に
「すごくよかったから
見て」と言われて
という方が、何人も。
いいともの
テレフォンつながり
みたいになってて、
信じられない…。
ただただ感謝した。


                             
(ローマ字で言葉が書いてあるものを、
 壁にたくさん並べて)

















 (それを額に
 入れたもの、部分)





またふたりのHPを見て来てくださった方も。
ありがとうございました。すごく勇気が出ました。


そしてこの展覧会のためにつくった本、「ひとりがけの椅子」は、
DEE'S HALLの美しい椅子の上に展示。
すごく似合って、しんとした、空気が生まれていたように思う。

本の中の言葉は、数点をのぞいて、会場に展示したのとは違うもの。
絵はすべて、新たに描いたもの。
カワハラ宅で、毎晩組み合わせなどを考えてきたものが、
ひとつの形になったと思うと、感慨深かった。
今、また、どこかの家で、これを開いてもらってたら、幸せだと思う。












そして会場で販売した本達の間に、小さくぽよんと立っているのは、
DMにした絵のモデルにもなったカワハラ作の「はにわ」君。

                    
   (これが、牛か、馬か、犬なのか…、
   また、作者に似てますよね、などと、
   かなりの話題をさらっていた、
   にくい奴です…)






































(色鉛筆で描いた絵の中に、日本語を小さく入れた作品の部分、3点。
光っているのは、照明の反射です)




そしてついに終わりの時が。

カミナリの鳴っていた夕立の時以外は、
ありがたいことに、ほぼたえまなくお客様が来てくださったので、
毎日6〜8時間ずつくらいお話していたと思う。
自分の人生の中でも、ありえないくらいの8日間…。

最後の打ち上げのお食事会で、
「たくさん人が来てくれてよかったね」と土器さん。
カワハラは、「展覧会やることが決まってからずっと、
いろいろと心配だろうに、土器さんがぜんぜん何も言わないのが、
逆にプレッシャーでもあったんですけど、
信頼してくれてるっていうか、ほんとに嬉しくて…」と言っていた。
(これは、2人でもよく話していたこと)
「私が何言ってもねえ」と笑う土器さん。


                  
 (色面構成の中に
                  ローマ字という作品。



                
   
   
                    その下の壁に、細い紙で
                    貼ったローマ字の読み方)





私も「やることになってから、
ずっとすごい緊張感だったんですけど、
こうやってDEE'Sで最初にできて、ほんとによかったと思って…。
一生忘れないと思います」と最後に言う。
ふたりはなんと、めぐまれているのだろうと思う。

そして「なんか終わった実感がよくわからないよね」などと言いつつ、
ふわふわしながら、ふたりで電車で帰宅した。

この日記を書いている1ケ月後の時点で、
まだおととい終わったくらいの気持ち…。

きっと、ここから、なにか、はじまっていくのだと思う。
そう思うと、何もかもが、うれしい。

支えてくださったすべての人に、
いくら感謝してもたりない。









4月28日(木)

朝からDEE'S HALLで搬出や、片づけ、作品の送付など。
カワハラママに車で荷物を取りにきていただいたり。
がらんとしたホールを見ると、昨日までのことが思い出されるようだが、
何も言葉にはならない。

そして会期中毎日びっしり通ってたので、
土器さんに「明日もここに来ちゃだめよ(笑)」と見送られ、
「お昼だけ、勝手にお庭で食べてたりして(笑)」などと言いつつ、
しずかに胸がいっぱいに。
「ほんとうにありがとうございました」とお別れする。

ふたりで遅い昼ごはんを食べつつ、
「ほんとに終わったんだ」「明日も来ちゃいそう」とかいろいろしゃべる。
実感は、もう少し後になってくるのかもしれない。
でもこの展覧会が、自分たちにとって大きな転機であることは間違いなく、
今は今の、できるだけのことはやった、とは思えた。

実家に戻るカワハラと別れ、
夜はくにぞうと、ちょっとおいしい和食屋さんへ。
「いい展覧会だったよ」とか、いろいろいいことを言ってくれた。
喋ってるうちに、
この人は私のやろうとしてることを信頼してくれている、と思って泣いた。


4月29日(金・祝)

起きたら、めちゃめちゃ午後だった。
やっぱり気って抜けるもんで、もう体も頭も、岩のように重くなっていた。
ここまで体もついてきてくれたのだから、今日はもうどーでもいいと。休もうと。
テレビをぼけーっと見ながら、
パンなどてきとうに何か口に入れ、また寝る。


4月30日(土)

昨日死ぬほど寝たので、起きたら、疲れはあったけど、岩のようではなかった。
風呂に入ってから、自分をだましだまし、気力を出し、たまってた仕事へ。
夜遅く、くにぞうとごはん。
アスパラやじゃがいもを蒸し、ゴマ酢味噌をつけて食べたり。
あとみそ汁、ぬか漬けなど。


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